良いグラインド

 穀物や豆を粉にすることをグラインド(製粉)といいます。

 小麦やそばを粉にするのには、臼と、ボール製粉があります。
 臼とは石臼のようなもので、すりつぶす方法。ボール製粉は、二本の逆回転する円筒形の筒の間を穀物をすり抜けさせて粉砕する方法です。

 ボール製粉は高速に処理できますが、巨大な圧力がかかるために、成分が高温になり、香味が失われるといいます。
 蕎麦の製粉に石臼が使われるのは、製粉時に温度の上昇がなく、香味成分が失われることが少ないからです。

 焙煎したコーヒー豆を粉にするときには、臼式かカッティング式の2つがあります。
 臼式は、豆をすりつぶす方法(すり鉢でゴリゴリやるの同じ)。カッティングは鋭い刃で豆を切り裂いてゆく方法です。

 珈琲の場合には、臼式の方が豆に圧力が掛かります。温度が高くなるので、香味が抜けてゆく可能性が高いです。また、出来上がった粉の形状は丸く水分は染み込みにくいです。カッティングは、粉の断面が綺麗で羽の様な形になります。
 カッティングの方が抽出の時に水分が染み込みやすく、良い抽出がでします。

 市販のミルは、3つの種類が存在します。

ミキサーの様に豆の中で羽が回転して豆を切るもの。これは、粉の粒度が安定せず、不ぞろいなものになります。当然抽出の時に抽出過多になる粉と抽出不足になる粉が出てきます。
 2つ目は臼型のもの。これは、手回しのミルと低価格な電動ミルです。
 製粉時に高温になるため、香味の一部が失われます。また、抽出時に水分が染み込みにくいです。
 3つ目は、比較的価格の高い電動ミルでカッティングのものです。これは、微分が多いというデメリットはありますが、低温で製粉され断面も綺麗なので、良いコーヒーを抽出できる可能性が高くなります。

 当店は、富士ローヤルと言う、国産の焙煎機・ミルのメーカーのR-440と言うミルに特注のカッティング刃を付けたものを使っています。